知る旅、感じる旅…蘇州有情
明清文化の中心、水の都蘇州は文人士大夫文化の香りを残す街。
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TOPメールマガジン>「蘇州有情」第119号記事抜粋


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    ☆ 蘇 州 有 情 ☆            第119号 2007/1/27

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◆ 流浪の民、百越族ロマン
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百越族。
中国の古代史に関心のある方なら
この民族の名はお聞きになったことがおありだろうし、
深い関心を寄せておられる方もいらっしゃるだろう。

和歌山ご出身で、先祖は絶対に百越族と断定。
雲南の奥地まで探索にでかけた知人がいる。
散々苦労して訪ね当てた村は、やはり、
じいさん、ばあさん、おじさん、おばさんのそっくりさん集団の地だったとか。
(和歌山といえば、春秋期、徐福が始皇帝の命を受け、
蓬莱島を求めて和歌山にたどり着いたといわれますよね。。。)

日本にも関連がありそうな百越族。
太古からのその流れは実に興味深い。
百越族は蘇州にも関係大で、
春秋戦国期にはこの江南一帯に百越族は分散居住していた。

「百越族」とは中国南方に住んでいた異なる部族の総称であり、
彼らが用いる「古越語」は
中国の北方、中原地区の「古漢語」とはその差はきわめて大きく、
双方会話は通じなかった。

その当時の百越族は、断髪に身体に刺青の習俗。
海鮮をよく食し、舟の巧みに操り、水上戦を得意とし、
青銅剣など銅器の製作に秀でていたといわれる。
(そういえば、最近、滋賀県で、
刺青のある土偶が西日本で初めて発見されましたね!)

さらに歴史を遡って7000年前、浙江の「河母(女偏)渡文化」の遺跡には
稲殻や稲草の堆積が発見されており、
世界で最古の稲作文化が誕生した土地だとされているが、
この文化を生み出したのが、百越族だといわれている。

長江下流で発見されたこの時代の稲の中には、
ジャポニカ米と遺伝子が等しいものもあるそうだが、
日本に稲を伝えたのは百越族であったかもしれない。

中国には7大方言があるといわれるが、北方の方言(官北話)以外の6大方言は、
北方民族が南に移動し、南方民族の言語と相互に影響融合した結果
形成されたものといわれ、
特に呉語(蘇州語を代表とする)、福建語、広東語は、
百越民族の百越語と関連が深いといわれている。

現在雲南、江西壮族自治区、貴州一帯に住むトン語系や苗語系の民族は
言語だけでなく、文化習俗の上でも、百越族とつながりがあるといわれる。
またタイ、ベトナム、ミャンマー、台湾の原住民とも
浅からぬつながりがあると指摘する学者もいる。

つまり百越族は、特に秦漢時代以降、全国統一がための戦乱で
さらに広範な地域に拡散したのだろう。
秦漢期には、「北方胡、南方越」といわれ、越は南方民族の総称ともなっていた。

ある部族はさらに南に下り、東南アジア一帯の海上貿易にも携わっただろう。
太古の時代に遡っても、その百越族の一部が日本に渡り、稲作を伝え、
その後も戦乱のおりおりにつけ、日本に渡っていったとしてもなんらおかしくない。

百越族の足跡をつぶさに見ていっても
東アジア歴史ロマンの興味は尽きない。。。

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◆ 杏本淡ーanpontan
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□「臥薪嘗胆」。
   :
く・ぎ・づ・け。。。
http://yule.sohu.com/s2006/wxcd/index.shtml
(中国では新作TVドラマでも毎日2,3回分続けて上映される)

陳道明が主役なんで、フアンというほどでもないんですが、
彼は出演作品を選んでおり、5年ぶりの時代劇主演でもあり…、
義理堅く、万難を排してみてしまう私(やっぱり、フアンか^^)。

果たして、ストーリー、演技、撮影、衣装デザインなど、
時代劇の見応えとしては久々になかなかの出来。

陳道明が越王勾践役。
呉王夫差に胡軍、呉の大臣五(人偏に五)子胥に王氷(サンズイ偏に水)、
越王王妃雅魚に左小青。越国軍師ファンリーに賈一平など。
役作りのうまさに定評のある陳道明はむろんのこと、
あとの役者さんも老若ともに、なかなかの成熟した演技。

特に五子胥役の王氷が、
呉国二朝に仕えた賢臣(今に残る蘇州を建設)の忠義と知略、
そして夫差との確執に悩む姿を演じて目を引きました。
国家大劇院の柱となる名優さんらしいのですが、テレビや映画出演は少なく、
初めて知りましたが、さすがに新劇の老優さん、
むむむ…演技などという枠を越えています!うなってしまいました。

中国の時代劇といえば、名帝とされたコウキ、乾隆帝を中心に
ラストエンペラー溥儀まで、清時代皇帝物語が圧倒的に多い。
(日本では江戸時代の時代劇が多く、
水戸黄門や家康、吉宗の物語が多いのと同じ^^)

そのほかに唐や明の王朝を題材にしたものもありますが、
新鮮な切り口に乏しいんですよね。

今回は2500年前の春秋時代ですが、
この時代物でよく描かれる諸侯国盗物語じゃありません。

越国勾践は、中国歴史上の王とは異なりますよね。
呉国に破れ、国を守り復興するため、
王としては考えられない屈辱を次々受け入れ、辛苦を重ねる。
自ら呉の奴隷となり3年、許され越に戻ったのちも、
屈辱と復讐を忘れないがため、
王宮を離れ、薪を束ねて寝所とし、胆からにじみ出る苦い汁を飲み、
20余年の月日を、富国強兵に勤める。

弱国であるがゆえの苦悩と悲哀、
そして国を復興し富国とするまでの堅忍不抜の精神。

このテーマが主軸ですが、
父子、君臣、夫婦、恋人間の葛藤、忠義、裏切り、愛情について、
これまでのこの時代の定番ストーリーではない、描き方がまた新鮮。

呉越の紛争で真っ先に登場する女主人公と言えば、越国から呉王に献上され、
文字通り、傾国の美女の役割を果たした西施なんですが、
このドラマの女主人公は、越王を常に影で支え、
自らも耐え難い恥辱を受けながらも、
生き延び乗り越えた越王王妃雅魚。
彼女の描き方、左小青の演技も見ものです。

また衣装や小道具が好きなんで、それを見る楽しみもあり、
今回あらためて感じたのは青銅器、青銅剣の面白さ、美しさですね。
博物館の展示品として見るのではなく、使用されている場面を見ると
自分の中の遠い記憶が再構築されるようで、とても刺激を受けますなあ…。

製作費用はなんと4000万元(約6億円)余りというこのテレビドラマ。
脚本から4年余りの歳月をかけて、練られたそうです。
一度は見る価値、十分にあります(再放送、DVDもありますよ^^)。

おっと、この「臥薪嘗胆」が百越族と何の関係があるのかですね。
この越国は百越族が建てた国のひとつなんですよ。

もうひとつご紹介するなら、陳道明は以前越国のあった紹興の出身です。
紹興出身と聞いて、そうかやっぱり…と勝手に深くうなづく私(^^)。
あの冷徹なる書生気質にして、侠気を有する人柄は、
魯迅や周恩来を始めとする、
文人や革命家を多く輩出した紹興の血を引く者ならではかと…。

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*上記「蘇州有情」 第119号より、抜粋。

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