世界トップレベルの精米技術を中国に     
             〜佐竹機械(蘇州)有限公司 中野薫総経理に聞く

                                             

佐竹機械(蘇州)有限公司










 蘇州工場概観




佐竹機械(蘇州)有限公司色彩選別機










 主力機の色彩選別機生産現場

























































































世界最大の米生産地である中国。広大な中国市場をターゲットに、穀物加工機器のトップメーカー()サタケは本格的に進出。中国国内大型精米プラント工場にすでに圧倒的なシェアを持つ同社。次は中規模工場への展開をねらう。自社の高度な精米技術と知識で中国の食文化に貢献したいとするサタケの歩みを、蘇州工場中野薫総経理に伺った。

独資で中国に拠点を

―まず御社の業務内容をお教え下さい。中国国内にいくつか拠点をお持ちですね。
中野薫総経理 三大穀類である米、麦、とうもろこしといった穀物関連の加工機器を製造、販売しています。サービス拠点として事務所は、北京、ハルピン、瀋陽、アモイ。そして成都にこの9月開所致しました。生産工場は1998年に開業した蘇州だけですが、サタケの機械を使った合弁会社があります。製粉工場1箇所と精米工場が1箇所で、これは日本の商社、中国企業、サタケとの合弁です。

―御社が工場建設に蘇州を選択されたのは…
中野薫総経理 96年ごろ中国進出を企画し、各地の開発区を視察に行った結果、選定に到った大きな理由のひとつは、当地のインフラのよさで、交通や物資調達が至便で、電力、水、全体の生産や人材の問題などが、他と比べ総合的によかったということです。また弊社は、タイにも合併の工場がありますが、合弁ですと、なかなか思うようにいかないことがあります。そのような経験も踏まえ中国では独資が希望でした。しかし当時の中国ではいろいろな規制があり、許可が困難でしたが、蘇州新区では独資での進出が可能でした。それらが選定の大きな要素になったとは思います。弊社の製品は、一般消費財ではなく生産施設であり、ほとんどが直販で行っています。その意味では、中国の販売網を持つ企業との提携がなくても、販売活動が独自で可能であったと思っています。

公的プロジェクトなどによる大規模精米工場をターゲットに

―生産されている機器についてもう少し詳しくお教え下さい。
中野薫総経理 大別すると精米機分野と製粉機分野になります。精米機分野で特に主力となっている製品は、色彩選別機です。米の中から着色しているものや異物を除きます。特に中国では害虫により変色した米とか、乾燥や貯蔵が不十分なため「黄変米」と呼ばれているものが多く混入していますが、それらの不良品を取り除く機器です。
 中国では精米工場は大小合わせ1万5千箇所ぐらいありますが、これまで弊社が納入したのは
900箇所あまりで、ほとんど大型の精米工場です。大型の近代的工場に対する弊社のシェアは90%ぐらいあります。しかし大型の工場というのは、全体の精米処理量から言えばそれほど多くはありません。
 米というのは短粒種と長粒種の大きく2つに分かれます。短粒種というのはジャポニカという品種で、主に黒龍江、遼寧、吉林とか、東北三県で栽培されており、日本で生産している米と同じです。長粒種はどちらかといえば南です。国内で生産されているのは長粒種が約6割、短粒種が約4割。弊社では、進出当初短粒種地区を重点にしていましたが、現在は長粒種地区にも販売を広げています。精米の生産量で中国は約一億四千万トンあり、世界の大体3分の1を占めているんですよ。

―では中国の米は海外輸出も多いですか?
中野薫総経理 一部ですね。日本が冷害で米不足だった時がありましたが、それ以降は国際取引の関係もあり一定量は輸入しなければならなくなりました。その政策に応じて中国からも日本へ米が輸出されるようになりました。日本へ輸出するには高い品質基準をクリアする必要があり、その際に弊社の機械が必要とされるようになりました。弊社の精度の高い機械を使わなければ、日本の品質基準にはなかなか合格できない状況があるからです。

―公的なプロジェクトが背景にあるのは有利ですね。
中野薫総経理 そうです。最近出てきている話として、中国にはまだ米の品質基準はありませんが、いま中央政府で基準作りが進んでいます。弊社で開発した、粒や食味など米を検査する機器があります。策定中の基準はサタケの機器を基本として検討いただいておりますが、また弊社の商機にもつながると捉え、サタケとしてもできる限りの協力をしていきたいと考えています。現在は中国国内約8割、輸出約2割です。当初95%は中国国内向けでしたが、徐々に輸出向けも増えてきております。

―中国の米は確かに近年異物の混入もほとんどなくなり、おいしくもなりました。
中野薫総経理 サタケが1998年に中国に本格的に進出し、精米加工技術の向上に貢献できたことも大きな要因と考えていますが、最近では原料品種にも注意を払う農場も出現しています。味に対する価値観は大都市の中国の高所得層の人たちを中心に、重視されてきつつはありますね。

―さきほど販売は直販と言うことでしたが、具体的には?
中野薫総経理 お客様が直接弊社に引き合いに来られ、その後客先に出向き提案し取引が始まります。また各地区の糧食関係者からの情報を基に取引が始まるケースもあります。

■自社コピー製品出回る
 新機種投入や利益提案で対応

――開業されてからすでに7年余りになりますが、ローカル企業との競合は?
中野薫総経理 開業後34年してから弊社製品のコピーが出回り始めました。弊社の製品はローカル企業のものと比べて価格が高いので、大型の精米工場などでもローカル製品を導入するところが増えてきました。ただコピー製品が出始めてさらに34年経ちますが、品質の差が中国の精米工場側にそろそろわかってきたところもあります。つまり、使用当初は変わらない、しかし長く使っていると違いが出てくる。質の悪い機械は米が壊れたりして、米自体の品質、歩留まりに影響します。歩留まりがたとえ0.5%悪くなったとしても処理量が多いので、大変な損失になります。コピー対策としては新しい機械を投入することや、サタケの精米技術や知識により、お客様の利益になる提案をさらに行っていくことが必要と考えています。

■技術応用し他分野へ展開を

―今後の展開は?
中野薫総経理 大規模精米工場を対象に生産販売をしていましたが、行き渡りつつあり、今後は中小規模精米工場にも弊社の製品を納入して、それらの工場でもよい精米ができるよう中国の米づくりに貢献したいと考えています。しかし中小規模の工場になると対象がかなり増えますから、直販だけというわけにはいかなくなるので、代理店などのような販売形態を考えています。ただ実力のある代理店が糧食業界にはあまりありませんので、代理店といっても、弊社がある程度代理店を育成しながら、構築していかなければならないと思います。
 またこれまでの技術を応用して別の分野へも展開していきたいと考えています。たとえば米を精米すると糠が出ますが、糠はかなり栄養素を含んでおり、油を取ったりします。これらを二次加工といいますが、二次加工に必要な機器の開発を考えています。本社ではそのような取り組みをしており、当地でも日本から講師を呼んで関連のセミナーなどを行っています。そういう分野がこれから中国でも必要とされてくるでしょう。実際、中央政府の方針にも出されています。原油価格の高騰及び供給不足から、とうもろこしを原料として石油に代替するエタノールを生産するというプロジェクトも中国で始まっています。とうもろこしの皮は硬いですが、弊社の精米技術で皮を取ることができます。精米も玄米の糠層を削るわけですから、それと同じような技術を応用して作ることができます。
 さらに色彩選別機を用いて、ペレットという樹脂の原料の選別や、ひまわりやかぼちゃの種、杏仁の実、粟や綿花の種などの雑穀を、色彩選別機の技術を応用して選別ができるような開発をしています。機器のソフトを組み変えデーターを採りつつ、技術担当者が実際に現場に出向きお客様のニーズを聞いたりして開発を進めています。試験段階のものもありますし、すでに完成して販売しているものもあります。今後はサタケの技術を応用して他分野への展開も、積極的に広げていきたいと思っています。

佐竹機械(蘇州)有限公司DATA
創業     199811
登録資本金  800万ドル
業務内容   糧食機械生産及び販売
売り上げ実績 20041.5億元(約20億円)
工場規模   敷地面積6万u 建築面積2.8万u
従業員    290名(内、日本人7名)

 
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